SAS担当になったら⑥ 事業規模別 SAS検査の導入事例【全6回】

“SAS担当になったら”シリーズでは、 運輸業のSAS管理担当者になられた方向けに、SASの概要を分かりやすく解説しています。最終回となる第6回では、実際に当社にSAS検査をお申込みいただいたお客様の事例を事業規模別にご紹介いたします。ぜひ、貴社と似ている事例についてご参考いただければ幸いです。


ドライバー数1,000名超の企業様

ケース①:初めてSAS対策を検討。実効性のある仕組を整えてスタートしたい。

課題

初めてSAS対策に取り組む。初年度から毎年1,000名弱の検査が必要だが具体的に何から進めて良いのかノウハウがなく、0からSAS対策を設計し、社内で合意と取り付けることが課題。

■状況

  • 総ドライバー数 3000名弱
  • 検査だけでなく、治療まで実施していきたい
  • 担当者と決裁者での意識の違いがあり社内調整が課題

総ドライバー数3,000名弱の企業様で、ご担当者様は国交省の要請に応えるため、居眠り運転に起因する重大事故防止を図るためにSAS対策を進めたいと考えていました。一方社内調整がうまく進まず、どうしたら会社を説得できるか数年にわたり試行錯誤。


そのタイミングで偶然にも当社と接点があり、ノウハウの提供を開始。SAS対策をやるからには治療までしっかりとつなげたいというお考えのもと、課題を整理しながら運用ルールの策定サポートや社内稟議資料の作成をサポートいたしました。

その後は運用ルールを正式に承認をうけ、スケジュールの確定と検査機器の確保を進め、無事に検査を開始することができました。特に以下の3点が、大規模での運用で必須と考えられていました。

  1. 毎年500~1,000人を短期間で実施できるだけの検査機器が確保されていること
  2. 他社の実例をふまえ、コピーではなく自社にあった乗務ルールを構築すること
  3. 毎年の運用がある程度定形化できる仕組みが作れること

そのため検査事業者の選定にあたっては、ドライバー数が多く計画的に1,000人規模のオペレーションを組める体制があること、特に検査機器の台数と窓口のフォローを重要視されていました。結果として3年間で全ドライバーに検査を実施、毎年1月に実施スケジュールを策定し、4月以降に検査を実施するというルーティンを確立。しっかりと治療につながる、実効性のある対策を実施されています。

導入成功のポイント

「自社の規模にマッチした検査機関の選定」
自社の規模にマッチした検査機関を選定することにより、毎年継続した検査の実施やオペレーションの定型化が可能となりました。

ケース②:SAS対策は行っていたが各営業所に任せていた。本社で管理し全体のコストを下げ効率性を高めたい

■課題

従来は各営業所の管理のもと問診で対象者を決めていた。全ドライバーに検査を実施し通院率も上げたいが運用の手間が増えることが課題であった。

■状況

  • 総ドライバー数 1,000名
  • 全ドライバーに検査が実施できていない
  • 治療までしっかり実施していきたい

総ドライバー1,000名の企業様で、ご担当者様は事故防止と経営リスク低下のためSASスクリーニング検査を実施していました。ただ、従前は各営業所単位で管理し、問診での絞り込みを行っていたことから、全ドライバーに検査が出来ておらず、かつ本社で検査や治療の実施状況が管理できていませんでした。

検査を全員に実施すること、治療までつなげることは経営リスクのためにも必須であるとして社内調整を進めていらっしゃいましたが、一方で運用の手間が膨大になることを懸念。過去に地元の医療機関で実施した際は大手企業向けの運用体制が無く会社側の手間が膨大になってしまい、1,000名規模の検査でも実効性が担保されることが最大の観点でした。

  1. 充分に検査機器が提供され、できれば一度に全員の検査が完了できること
  2. 検査機器のレンタル期間が2週間あること
  3. トラック協会の助成金対象の検査であること

SAS対策に対する知見は社内に充分にあったため、本社管理に変更したあとも滞りなく検査を実施されています。

導入成功のポイント

「レンタル機器の台数とレンタル期間」

トラック協会の助成対象の検査事業者であること、そして、機器の台数が多く、かつレンタル期間が長いことにより、全体としては検査が短期間で終わることで営業所からの不満もなく、スムーズに毎年の検査を実施されています。


ドライバー100名以上1,000名未満の企業様

ケース③:全国にドライバーがいるため、限られた時間で必要な情報を効率的に収集したい

■課題

精密検査を実施可能な医療機関の情報を効果的に収集することが課題でした。ドライバーが全国にいるため会社だけでの情報収集に限界がありました。

■状況

  • 総ドライバー数 100名以上
  • 治療を専門医に依頼したい

全国に営業所があり、徹底した治療への声掛け、福利厚生制度での費用サポートも整備し治療実施率が非常に高い企業様でした。全国にドライバーがいるため、SASの専門医情報を会社が収集することが難しく、スムーズなスクリーニング検査だけでなく全国の専門医療機関情報を重要視されていました。

ご担当者様はSASによる居眠り運転は一度でも起こしてはいけないとの思いをもっており、受診する医療機関にも厳格な対応を求められていました。患者は運輸業に従事しているプロフェッショナルドライバーであり、極力その事情を理解している専門医のいる医療機関にかからせたいというご希望がありました。

過去にSAS検査実施ルールは整備しており、課題であった全国の医療機関情報を保有する検査会社に切り替えたいというご要望によりお声がけをいただきました。

■ SAS対策の好事例③ポイント

「全国の医療機関情報を保有しているか」

当社は、全国の医療機関情報を保有しており、営業所が全国に点在する事業者様のサポートが可能です。


ドライバー100名未満の企業様

ケース④:担当が種々の業務を兼務しており、SAS対策の社内負担を極力小さくしたい

■課題

居眠り運転による事故があり全員に一度検査を受けさせたいが、SAS対策に割けるリソースが少なく説明資料や助成金申請サポートなどが必須。社内負担は小さく検査を完了させたい。

■状況

  • 居眠り運転での事故があった
  • 社内リソースは不足しており、SAS対策に人員を割くのが難しい

居眠り運転による事故があったことをきっかけにSAS検査の実施を決め情報収集をされていました。SASスクリーニング検査は過去に実施したことが無く、体系化された運輸業のSAS対策の情報も世の中に豊富ではありません。検査の進め方だけでなく助成金申請なども含めトータルサポートが必要だと感じていらっしゃいました。

相談や検査についてのご説明は全てWEBベースで手間が無く、従業員向けの説明資料や管理者向けの資料もこちらで準備しているものをご提供。助成金の申請もしっかりとサポートさせていただきました。SAS対策に多くの時間を割けないからこそ、汎用的な資料が整っていることで手間を最低限にすることが実現することができます。丁寧な対応をご評価していただいており、検査終了後は多くの乗務員の方がSASに興味をもってくれたとお声を頂いています。

■SAS対策の好事例④ポイント

「トータルサポートが可能」

助成金申請ノウハウや各種資料を既に所有している検査機関かどうかということがポイントとなりました。


設立18年、累計25万人超の実績。SAS対策はお任せください。

当NPO法人は2004年の設立以来、累計25万人超にSASスクリーニング検査をご提供した実績があります。SAS対策についてお悩みがあればぜひお気軽にご相談ください。上記以外の事例も豊富に持ち合わせておりますので、企業様ごとの実情に合わせて情報提供させていただきます。


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