業界別:SAS(睡眠時無呼吸症候群)検査の実施割合

国土交通省より、長く運輸業にSAS(睡眠時無呼吸症候群)検査の実施が推奨されてきていますが、実際の実施状況がどうかご存知でしょうか。本記事では、公表資料から業界別(バス・トラック・タクシー)にSAS検査の実施状況をまとめています。

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バス業界のSAS(睡眠時無呼吸症候群)対策実施状況

バス業界のSASスクリーニング検査実施割合は約7割~8割とされており、バス・トラック・タクシーの3業界の中では最も実施率が高くなっています。全運転士をSAS検査の対象としている企業が62%決まった期間で定期的にSASスクリーニング検査を実施している企業が57%と、バス業界は組織的に検査を行っている傾向にあります。

出展
国土交通省 事業者における主要疾病等に関するスクリーニング検査の実施状況の調査結果概要
:国土交通省自動車局 自動車運送事業者への健康起因事故防止のための取組に関するアンケート調査結果(平成29年度)

SASスクリーニング検査で「要精密検査の方」へのその後の対応方針は、以下の順で多くなっています。(その他、該当者なし、無回答を除く)

  1. 治療状況を確認しながら、これまで同様、運転業務を継続
  2. 治療状況を確認しながら、業務負担を軽減し、運転業務を継続
  3. 治療は運転者に任せ、これまで同様、運転業務を継続

治療の確認まで積極的に行う方針が多くなっています。

また、バス協会の助成制度も積極的に活用しており、バス業界全体として対策を進めていることが見受けられます。

トラック業界のSAS(睡眠時無呼吸症候群)対策実施状況

トラック業界のSASスクリーニング検査実施割合は約3割~4割とされており、バス・トラック・タクシーの3業界の中では2番目に実施率が高くなっています。全運転士をSAS検査の対象としている企業が27%決まった期間で定期的にSASスクリーニング検査を実施している企業が24%と、トラック業界は検査対象者・頻度ともにバラつきのある傾向にあります。

出展
国土交通省 事業者における主要疾病等に関するスクリーニング検査の実施状況の調査結果概要
:国土交通省自動車局 自動車運送事業者への健康起因事故防止のための取組に関するアンケート調査結果(平成29年度)

SASスクリーニング検査で「要精密検査の方」へのその後の対応方針は、以下の順で多くなっています。(その他、該当者なし、無回答を除く)

  1. 治療状況を確認しながら、これまで同様、運転業務を継続
  2. 治療状況を確認しながら、業務負担を軽減し、運転業務を継続
  3. 治療は運転者に任せ、これまで同様、運転業務を継続

治療の確認まで積極的に行う方針が多くなっています。

トラック協会の助成制度は手厚いため積極的に活用しており、ことが見受けられます。

上述のように企業によるばらつきが大きいため、全ドライバーに定期的に実施することを仕組化している企業は、Gマークの加点職場環境良好度認証制度の加点に利用したり、採用活動時に求職者のご家族に効果的にアピールが出来ています。

タクシー業界のSAS(睡眠時無呼吸症候群)対策実施状況

タクシー業界のSASスクリーニング検査実施割合は約1割~2割とされており、バス・トラック・タクシーの3業界の中では実施率が低くなっています。全運転士をSAS検査の対象としている企業が23%決まった期間で定期的にSASスクリーニング検査を実施している企業が12%と、3業界の中では低い傾向にあります。

出展
国土交通省 事業者における主要疾病等に関するスクリーニング検査の実施状況の調査結果概要
:国土交通省自動車局 自動車運送事業者への健康起因事故防止のための取組に関するアンケート調査結果(平成29年度)

SASスクリーニング検査で「要精密検査の方」へのその後の対応方針は、以下の順で多くなっています。(その他、該当者なし、無回答を除く)

  1. 治療状況を確認しながら、これまで同様、運転業務を継続
  2. 治療状況を確認しながら、業務負担を軽減し、運転業務を継続
  3. 運転業務を控えさせている(配置転換、休暇)

治療の確認まで積極的に行う方針が多くなっています。

少なからず助成制度を活用していますが、全体として多くはありません。

顕著な業界別のばらつき

SAS対策の実施は、法令上の「義務」ではありません(2021年1月現在)。義務ではないものの国土交通省の推奨もあり、各業界ごとに助成制度を設けながら実施を推進しています。

一方、助成制度の対象範囲や金額、また啓発資材の整備もバラつきがありますので、業界ごとに実施率には大きく差が出ているものと見受けられます。

また、業界・企業により運ぶモノ(ヒトを含む)、運ぶ量、運ぶ距離が違うことも要因に挙げられるのかもしれません。

ただし、SASは若くても、痩せていても発症します。また、突然の意識喪失が問題とされており、裁判でもSASにより事故を起こした方は、一様に「突然意識が無くなった」と証言されています。

可能であるならば、企業において仕組みを作り、対策をされることが望ましいと言えます。

※企業制度の事例はこちら

国会審議を経て実施状況の調査が入る可能性

第192回国会 国土交通委員会第7号(平成28年12月2日(金)にて、健康起因事故対策について言及がありました。 ”本法施行後三年を目途に、疾病運転の防止措置の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる”と決議されており、今後、実施状況の調査と、何かしらの公表がある可能性があります。

過去の国土交通省の公表物の一覧はこちらから

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