【運輸業向け】国土交通省 SAS公表物一覧

国土交通省のSAS公表物を時系列でまとめています。

2003年  睡眠時無呼吸症候群(SAS)への対応について

山陽新幹線の居眠り運転を契機に、” 鉄道のみならず、陸・海・空の各交通機関に共通する問題であり、安全な交通サービスを安心して国民が享受する上からも一日も早い対策が急がれている。 ” ”交通事業関係者への周知と指導の徹底を図る。”とし、対策の必要性と、国土交通省として対策に取り組んでいくことを公表しました。また、”その際、SAS問題対策として、乗務資格の喪失等の措置をとらざるを得ない場合は別として、「SASであると診断」された者に対し、不利益な措置とならないよう十分留意する。”とも記載し、雇用継続についても言及しています。

2003 SAS対応マニュアル(2007年修正)

国土交通省が企業のSAS対策のマニュアルを公表しました。その中で、” 事業者には、運転者や家族と一体となって、SASの早期発見・早期治療に取り組 む社会的責任があります。 ”と明言をしています。

なお、修正は、自覚症状が無いことが多いため、症状の有無にかかわらず全員にスクリーニング検査を実施することの重要性、2種の検査方法、自己判断テストを絞り込みから参考情報へ変更を記載しました。

また、今後の対応として、
”(1) 独立行政法人自動車事故対策機構が実施する運行管理者等指導講習等において、スクリーニング検査により睡眠中の呼吸障害の程度を客観的に把握することの重要性を周知徹底します。
(2) 国土交通省のホームページに当該マニュアルを掲載するとともに、運送事業者における先進的な取組事例を紹介し、SASの早期発見・早期治療を啓発していきます。”
としました。

2010年  事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル

健康状態により事故を起こす可能性が高まることから、SASに限らず健康管理全般をマニュアル化しています。

全59Pとかなりボリュームがあり、国土交通省の力の入れ方がうかがえます。健康診断等の一般的なもの、点呼の手順といった実務に即した内容まで組み込まれています。

2015年 自動車運送事業者における 睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル ~SAS対策の必要性と活用~

近年、SAS対策マニュアルといえばこれを指すことが多いと思います。SAS取扱規定のサンプルを掲載するなど、より具体性を増した記述を行っています。SAS対策マニュアルを掲載しているページには以下の文言んが記載されています。

”平成15年3月に策定したマニュアル「睡眠時無呼吸症候群(SAS)に注意しましょう」から10年以上が経過し、SASスクリーニング検査を実施する事業者は近年、増加の一途を辿っています。しかし、未だに事故後に初めて運転者のSASが発覚するというようなケースも後を絶たず、SASスクリーニング検査の実施は決して浸透したとは言い切れません。SASスクリーニング検査は、平成26年4月に改訂された「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」の中での「推奨検査」とされており、更なるSASスクリーニング検査の周知と、適切な治療が強く望まれます。
 その一方、10年以上を経て、SASスクリーニング検査後の職場内での運用等において、管理者が手探りで模索している状況も見受けられています。
 本マニュアル改訂版では、「SAS対策は難しい」と捉えて、なかなか検査に踏み切ることができない、検査はしたもののフォローができていない、乗務可否判断が難しいなど、事業者が感じている対応面での懸念を踏まえて、SASスクリーニング検査の実施前(準備)から実施後(フォロー・活用)までの対応について、一連の流れを具体的に示しました。
 本マニュアルを指針として、運輸業界において、SASスクリーニング検査が更に普及するとともに、適切な治療がなされることによって、「安全と健康」が一層向上するよう、本日、関係団体あて通知しました。”

2016年 事業者における定期健康診断、主要疾病等に関するスクリーニング検査の実施状況の調査結果

主要な疾患のスクリーニング検査の実施状況が業種別に記載されています。SASは実施率は他の疾患に比べ高くなっており、まずはSASから実施されている企業が多いようです。国土交通省の長年の啓発の結果とも言えます。

  • バス 72%
  • タクシー 16%
  • トラック 42%

以上が主要な公表物ですが、加えて

第192回国会 国土交通委員会 第7号(平成28年12月2日(金曜日))

にて健康起因事故対策について言及がありました。

同国土交通委員会のなかで、”疾病運転により安全な運転ができないおそれがある状態の明確化を図った上で、検査の結果に応じて事業者として取るべき対応を含んだガイドラインを作成する”、”ガイドライン作成後、当該ガイドラインの活用を促進することによって、事業者による自主的なスクリーニング検査の導入拡大に取り組む”とされています。

さらに、 ”本法施行後三年を目途に、疾病運転の防止措置の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる”と決議されており、今後(施行3年を迎える2020年頃)には、実施状況の把握と、何かしらの公表がある可能性があります